2020年の三寒四温

  • 2020年6月7日
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やっほ。

 

月が美しい昨今です。。。

 

さて、緊急事態宣言がひとまず解除されましたね。

みんなは如何お過ごしでしょうか?

 

僕は、緊急事態宣言がひとまず解除された5月の終わりに会社が再開し、約2ヶ月ぶりに電車に乗りました。

 

…今宵はそんなお話です。

 

その朝、“いつも通り” 駅へ行ったつもりだったのですが、それが全く “いつも通り” ではないことに気づいたのは、改札を通った時です。

 

“そうだ、僕はとても久しぶりに電車に乗るんだ…”

 

#StayHome で のほほんを極めたような僕は、特に朝なんか、なーんも考えてません。寝ぼけ眼もまた無我の境地です。駅に着いて、改札でICカードをタッチして、ようやく僕の中の電車に乗るモードが久々に起動したのでした。

改札からホームへと靴音を鳴らせば、駅名標もホームドアも全てが輝いていて、まるで前世で縁のあった場所に幾千の時を経てやってきたような感動を覚えたりします。「まもなく列車が参ります」って、そうだ、世の中にはこんな素敵な言葉もあったんだよな…。

 

そうして、電車がやって来ました。

 

ドアが開く振動が、見えない波紋を帯びてホームまでやって来ます。こんな感覚もまた、この瞬間まですっかり忘れていました。

 

“そうだ、電車ってこんな感じだった”

 

そこからいきなり記憶が手繰り寄せられて来ます。車内に足を踏み入れる頃には、すっかり電車に乗る時のワクワクを思い出していました。左足がドアの横を通り抜けた頃、全身に燻らせくる独特の香りは、鉄道という存在が今も確かにここに存在していることを物語っています。

思えば、約2ヶ月ものあいだ鉄道に乗らなかったことなど、生まれてこの方経験していなかったかも知れません。

 

“懐かしい、なんて懐かしいんだ”

 

しかし、そう思ったのも束の間。僕は、もうあの頃と呼べるくらいに遥か昔の2ヶ月前とは大きく違う、朝8時30分を迎えていることに気づいたのです。

 

“あれ? 空いている… 床が見える…”

 

そう、かつてあれほど満員だった平日の朝8時30分を駆ける電車が、空いているのです。それどころか、席に座れるのです!どうやら #StayHome によって、世界は大きな変化の道を歩み始めていたようでした。僕は、朝陽の注ぐ4号車の座席に悠々と座ることができたのです。これは例えるなら、お盆なのに渋滞のない中央道… 毎日4時限目で終わる高校生活… 年に4回シングルをリリースする宮沢信太朗… そんな感じです。

つまり、夢のような話だけれど、決して不可能ではないということです。たぶん…。

 

そうして、電車は動き出しました。

 

モーターの音につられて、小気味良くレールを紡ぐ律動。車内に踊る影模様。何これ、めっちゃ楽しい。めっちゃワクワクしてる。てか、速い!人間の歩くスピードと全然違う!!電車って、、電車って、、、

 

こんなにも素晴らしいものだったのかーー!!!

 

…そう思った訳でございます。まさかこの期に及んで、こんなにも普段の鉄道に感動することがあるとは …という感じです。改めて、僕は鉄道が大好きなんだなぁと。そして、そんなことをこうしてまた改めて噛み締めるように感じられていることがまた感動で…。なんか、本当に素晴らしいなと。。。

 

…さらに、そんな大好きな鉄道の存在はそのままに、満員電車とはもう “さらば” な訳です!そこがまた感動を重ねてくる訳です。

 

なんかさ、二十何年生きてきてさ、それなりに色んなことを経験したような気になっていましたが、、、

いやいやこれがまだまだ全然経験していなくて、ちょっとしたことも含めて、これからも新鮮な気分になることは幾度となくあるんだろうなと、思ったんですよね。

 

そしたら、なんかワクワクしてきましてね。

 

#StayHome にしてもかつてない経験で、まぁ個人の仕事の受注は減ってたんですけど、それでも誤解を恐れずに言えば、楽しさがある訳です。

というか、楽しんでいた訳です。

 

ちなみに、6月になったらまさかの満員電車復活の傾向で、あれ?なんか戻ってきた?という感じもあるのですが、、、

それでも、悪い意味ではなく、もうこの世界は、昨年やあるいは今年の1月や2月のような状況には、きっと戻れないと思います。一瞬戻ったように見えても、たぶん戻ってないです。

 

僕たちはもう、新しい世界への列車に乗ってしまったような気がします。そしてそれは、決して過酷な満員電車ではないと思います。

 

もちろん、いつかまた気ままな旅はできるようになります。けれどそこに寄り添う社会システムは大きく変わり、より効率的になり、よりゆとりが生まれると、そう思う、ゆとり世代の僕な訳です。

 

NASA の観測データでは、COVID-19 の流行を受けたロックダウン等によって化石燃料の使用等が減った結果、アメリカ北東部の大気は 2005年以来 最も綺麗になっているほか、パリでは 46% も大気汚染レベルが軽減しているとか。色々あるけれど、でも大気汚染の改善って、ひとつ、何事にも変えがたい良き流れではないですかね。それって本質的には人間にとっても大きな利益なのではないですかね。

 

変化は、宇宙の生み出した最大の発明かも知れません。1 が 2 になる時、そこには 1 の記憶が確実に刻まれているのに、1 の郭からは解き放たれる訳です。

1 があるから 2 があって、循環の帰結点に階があるんです。

つまり、牛若丸がいなければ、義経はいなかったということです。九郎もいつかは報われて、そして時代は安宅の関です。

 

何の話でしたっけ…笑

 

そう、つまり僕は久々に電車に乗れた喜びの中で、調子に乗って世界も全て新しく輝いて見えるということです。

そりゃ色々ありますけれどね。でも、心持ちみたいなものは大いなる始発駅だと思う訳です。

 

だから僕は、あの5月末の朝陽が車内に伸びている列車に、新たな時代への希望を乗せました。

 

今は一旦、ちょっと前の感じに戻っている空気もありますが、冬と春の移り目よろしく、時代の変わり目も三寒四温といったところなのかなと思っています。徐々に徐々に、しかし確かに…という感じ。

#StayHome で三寒四温をあまり感じられなかったような2020年。しかし僕たちは今、もっと大きな三寒四温を目の当たりにしているのではないかと、そう思ったりする、今日この頃です。

 

また長くなってしまいました…。今日はこんなところで。

それでは、みんな健やかでありますように。